クレーム応対の心理学

クレームは、応対次第で顧客との関係を深めるきっかけにもなり、顧客との関係が途切れるきっかけにもなります。心理学をベースに、科学的なクレーム応対法を考えてみましょう。
  1. クレーム応対の極意
クレームの原因が、私達の過失であろうと顧客の誤解であろうと、私達は顧客の怒りを静め、和解に導かなければなりません。そのためには怒りを理解することが一番の近道です。
  1. 顧客を怒らせる2つの引き金
  2. 自尊感情
顧客の怒りを静めるためには、失われたコントロール感を取り戻させること、そして傷ついた自尊感情を癒してあげることが大切です。
  1. 顧客の怒りを静める心理戦術〜その1〜
  2. 顧客の怒りを静める心理戦術〜その2〜
  3. 顧客の怒りを静める心理戦術〜その3〜
  4. 顧客の怒りを静める心理戦術〜その4〜
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顧客の怒りを静める心理戦術〜その4〜

顧客の自尊感情が傷つくのは、「大切にされていない」「尊敬されていない」「侮辱された」などと感じるからです。実際に私達顧客にどう接したかではなく、顧客がどう感じたかが問題なのです。

そのため、丁寧な応対を心がけていても、不快な思いをさせてしまうこともあります。よかれと思ってしたことが裏目に出てしまうこともあるかもしれません。

まずは、顧客に不快な思いをさせてしまったことを、素直に謝罪しましょう。「不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。私どもの配慮が欠けておりました。」たったこれだけの心づかいがあるのとないのとでは、その後の展開に雲泥の差があります。

心のこもった謝罪の言葉はとても有効ですが、言葉だけの謝罪では本当に顧客の自尊感情を癒すことはできません。謝罪は、行動が伴って初めて謝罪といえるのです。「あいつはすぐに謝るが、口だけだな」と思われてしまったら、信頼を回復するのが非常に困難になってしまいます。

謝罪をカタチのあるものにするには、二度とこのようなことがないことを約束し、実際にそのとおりに行動する必要があります。行動が伴った謝罪は、「顧客は大切な存在であり、今後もよい関係を続けていきたい」というメッセージになり、失った信頼を回復するのです。
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顧客の怒りを静める心理戦術〜その3〜

顧客の失った自尊感情を回復するには、顧客に敬意を示すことで失った分の自尊感情を埋め合わせます。差し引きゼロになると顧客の怒りは静まり、プラスになると人を許す寛大さが生まれます。自尊感情が十分に高まれば、顧客は関係修復に向けて積極的に行動するようになります。

自尊感情とは、自分を好きという感情、自分を大切に思う感情、自分の存在を肯定する感情です。自尊感情は、現実の自分と理想の自分とのギャップの大きさによって決まります。現実の自分が理想の自分に近いほど、自尊感情が高く、現実の自分が理想の自分とかけ離れるほど、自尊感情が低くなります。

私達は、自分が正しいと思うことをやり遂げたとき、自分自身に満足し好感を持ちます。主体性(コントロール感)を持って自分が正しいと思う行動をしたときに、自尊感情は育まれるのです。

逆に、悪いことだと分かっていながら欲望に負けて行動してしまったりすると、自己嫌悪になります。主体性(コントロール感)がなかったり、正しいと思えない行動をすると、自尊感情は傷ついてしまいます。

自尊感情が高い人は、他人に不当な扱いをされても寛大でいられます。なぜなら、自尊感情が高いため、他人からどのように評価されようと、自分自身の評価にあまり影響を受けないからです。

一方、自尊感情が低い人は、他人に不当な扱いをされると頭にきます。自尊感情が低い人は、自分自身を尊敬できないため、他人から尊敬されることで、間接的に自尊感情を得ようとします。つまり、他人から尊敬されれば自尊感情が高まり、他人から尊敬されなければ自尊感情が低くなります。自分を好きか嫌いは、他人の評価にかかっているわけです。

些細なことですぐに腹を立てる人は、日頃から自尊感情が高くないということを理解しなければいけません。彼らにとって、他人からの尊敬が自尊感情を得るための唯一のよりどころなのです。だから他人からの尊敬が失われたり、失われそうになったりすると怒るのです。

顧客が怒るのは、失礼な扱いをされたことで一時的に自尊感情が低くなってしまったか、あるいは日頃から自尊感情が低いかのどちらかです。いずれにしても、顧客に敬意を示すことが最善の策です。敬意は顧客の心の栄養となり、自尊感情が癒され、自然と怒りは消えていきます。

次は顧客の怒りを静める心理戦術〜その4〜です。
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顧客の怒りを静める心理戦術〜その2〜

感情的になっている顧客は失われたコントロール感を取り戻そうとして、私達に何らかの要求をします。要求は、代金の払い戻しであったり、原因の説明であったり、謝罪であったりします。

ここで重要なのは、要求の内容ではありません。顧客にとっては、要求の内容よりも「要求を通す」ことに意味があるのです。顧客は、私たちに要求を受け入れさせることで、コントロール感を得たいのです。

感情的になっている顧客は、ときに無理難題を要求する場合もあります。しかし、顧客の要求はどんなものであっても真摯に受け止める必要があります。このような場合でも、要求を分割したり、代替案を提案したりすることで、できるだけ顧客の要求を受け入れるように努めます。

顧客の要求が分からない場合は、率直に尋ねるのがよいでしょう。「できる限りのことをさせていただきたいと思います。どのようにすれば納得いただけますでしょうか」「お客様に納得していただくために、私達にできることはございますでしょうか」などの言葉は効果的です。

感情的になっている顧客は冷静さを欠いているため、要求があいまいだったり、到底無理なものであったりします。このような場合は、顧客が要求を出しやすいように誘導することもテクニックのひとつです。

例えば、不良品が届いて怒っている顧客に対して、「1.新品と交換する。2.代金をお返しする。3.修理する。」という選択肢を提示するのはよい方法です。提案がひとつだけだと押し付けられているように感じさせてしまうため、複数の選択肢を用意することが大切です。

次は顧客の怒りを静める心理戦術〜その3〜です。
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顧客の怒りを静める心理戦術〜その1〜

顧客の失われたコントロール感を回復するには、顧客がコントロール感を得られるように応対することで、失った分を埋め合わせます。差し引きゼロになると顧客の怒りは静まり、プラスになると人を許す寛大さが生まれます。コントロール感が十分に高まれば、顧客は関係修復に向けて積極的に行動するようになります。

コントロール感とは、自分が行動することによって、望み通りの状況を作り出せるという感覚のことです。私達にとってコントロール感を持つことは、とても重要なことです。

心理学では、「物事をコントロールしているのは、自分の行動や能力などである」と考える傾向が強い人を「内的コントロール型」といいます。逆に、「物事をコントロールしているのは、他者や運など自分以外のものである」と考える傾向が強い人を「外的コントロール型」といいます。

内的コントロール型の人は日頃からコントロール感があるため、多少コントロール感を失っても、それを取り戻そうと怒る必要はありません。一方、外的コントロール型の人は、日常的にコントロール感が得られないため、自分に少ししかないコントロール感が奪われると、それを取り戻そうと怒るのです。

些細なことですぐに腹を立てる人は、外的コントロール型であることを理解しなければいけません。彼らにとっては、ほんの少ししかないコントロール感はとても大切なものなのです。

「おまえの会社はどうなってんだ!いつまで待たせるつもりだ!」感情的になってしまった顧客の言葉は容赦ありません。なんとか怒りを静めようと「申し訳ございません」と謝ってみても「謝って済む問題か!ふざけるな!」と、すかさず返ってきます。

このような場合、顧客を納得させようとするのは逆効果になります。クレーム応対の研修で必ず教わる基本のひとつに「顧客の話をよく聞く」があります。これは、聞き役に徹することで、顧客にたくさん話して頂くということです。

感情が高ぶっている顧客は、不満に思っていることをすべて話してしまいたいという欲求があります。私達は、顧客がすべて話し終えるまで邪魔をせず、事情を聞くことに専念すべきなのです。

私達が話すと、顧客から会話の主導権を奪ってしまうことになります。私たちの目的は、顧客を説得することではありません。ここがポイントです。怒っている顧客を説得しようとすると、怒りが静まるどころかますます怒らせてしまいます。私達の目的は、顧客の失われたコントロール感を回復させることなのです。

顧客の話をよく聞くということは、会話の主導権は顧客にあるということを暗に示します。私達が聞き役に徹すれば、顧客はコントロール感を取り戻し、自然と怒りは静まります。

次は顧客の怒りを静める心理戦術〜その2〜です。
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自尊感情

私達が、自分という存在に満足するには、自分自身を好きでなければなりません。この自分を好きという感情、自分を大切に思う感情、自分の存在を肯定する感情を自尊感情といいます。

顧客を怒らせる引き金の一つは、顧客の自尊感情を傷つけてしまうことです。侮辱されたり、失礼な扱いをされたり、大切にされなかったりすると、自分に対する肯定感が薄れ、自己嫌悪になり、自尊感情が傷ついてしまうのです。

人は、自尊感情が高いときは、心に余裕があり、他人に対して思いやりを持つことができます。他人の過ちを許す寛大さを持ち、他人からどう思われようが気になりません。

逆に、自尊感情が低いときは、心に余裕がなく、自分のことで頭が一杯になります。他人の過ちを許すことができず、他人にどう思われているかが気になります。

謝罪に耳を貸さない、和解のための提案を受け入れてくれない。そんな顧客は、自尊感情が傷ついたことで、一時的に自分ことで頭が一杯になり、私達の過失を許す余裕が持てないのです。顧客の怒りを静め、過ちを許してもらう(あるいは誤解を解く)には、顧客の傷ついた自尊感情を回復させてあげる必要があります。

物事がうまくいっているときは、気分がよくなり多少のことでは怒ったりしないが、物事がうまくいかないときは、イライラして些細なことで腹が立ってしまう。あなたにもそんな経験ありませんか?

自尊感情は、コントロール感ともかかわりがあります。私達は、物事がうまくいく(コントロール感が得られる)時ほど、自分に力があるように思い、自分自身に満足し好感を持ちます。物事がうまくいかない(コントロール感が得られない)ときほど、不足感や無力感を感じ、自分自身に満足できず自己嫌悪に陥ります。

顧客の奪われたコントロール感を回復することは、自尊感情を回復することにもつながるのです。

次回は、失われたコントロール感と自尊感情を回復し、和解へ導く顧客の怒りを静める心理戦術〜その1〜について書きます。
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顧客を怒らせる2つの引き金

どうもお久しぶりです。前回のクレーム応対の極意から1ヶ月更新できませんでした。3連休ということですが、台風4号のおかげで出かけることができません…では早速今回もクレーム対応について書いていきます。

私達人間には怒りという感情があり、失礼な扱いをされた時、侮辱された時、行動や思考を邪魔された時。そんな時に怒りが発生します。

クレームを出す顧客は怒っています。クレームの原因が私達の過失であろうが、顧客の誤解であろうが、私たちは顧客をなだめ、和解に導かなければなりません。

顧客の怒りを静め、和解に導くには、怒りの心理的メカニズムを理解することが最も重要です。怒りが発生する仕組みを理解すれば、怒りを静めるためにはどうすればよいかが見えてきます。

では、さっそく「人はなぜ怒るのか」について考えてみましょう。

私達にとって、物事をコントロールしているという感覚(コントロール感)を持つことは、非常に重要なことです。コントロール感とは、自分が行動することによって、望み通りの状況を作り出せるという感覚のことです。簡単に言えば、自分の望み通りにことが運ぶという感覚です。

人はコントロール感があると、自分自身に満足することができます。逆にコントロール感がないと、自分自身に満足できなくなります。

私達が何かをしようとしたとき、他人の行動によってそれができなくなった場合、コントロール感が失われてしまいます。人は、コントロール感を奪われそうになったり、奪われてしまったりすると、状況をコントロールできないことに対して恐れや不安を感じ、コントロール感を取り戻そうと防御反応を示します。それが怒りです。要するに、自分の思い通りにならないと頭にくるのです。

顧客を怒らせる引き金のひとつは、予期せぬ出来事によって、顧客のコントロール感が奪われてしまうことにあります。

例えば…

  1. 今日届くはずの商品が届かない(予期せぬ出来事) →届いたらすぐに使うつもりだったのに(コントロール感を失う) →「届かない」状況を自分ではどうにもできない(不安や恐怖) →頭にくる(防御反応)
  2. 店員に失礼な応対をされた(予期せぬ出来事) →望んでいるような扱いをされない(コントロール感を失う) →自分は大切に思われていないのでは?(不安や恐怖) →頭にくる(防御反応)

顧客の怒りを静め、過ちを許してもらう(あるいは誤解を解く)には、顧客の奪われたコントロール感を回復させてあげる必要があります。

次は自尊感情について書いていきます。
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クレーム応対の極意

商品やサービスに不満がある顧客のうち、実際にクレームを言う顧客は10%未満といわれています。90%以上の顧客は、不満があっても黙っています。ほとんどの場合、顧客はクレームも言わずに黙って競合他社のもとへ去っていきます。

一方、ある企業の調査によると、クレームが適切に解決された場合、顧客の再購入率は80%を超えることが分かっています。クレームは、顧客との関係を深めるきっかけにもなり得るのです。

これまで、クレーム応対のマニュアル本というと、話し方を中心にしたものがほとんどでした。しかし、クレーム応対の本質は、どのような話し方をするかではなく、顧客の心理に沿った応対ができるかにあるのです。

クレーム応対において、おそらく最も大切なことは「敬意を表わす」ことです。これは、クレームがこじれてしまう原因を探るとよく分かります。

クレームがこじれてしまう最大の原因は、お客様に対する敬意が欠けていることです。電話をたらいまわしにしたり、面倒くさそうに話したり、口先だけで丸め込もうとしたり、お客様の都合より自社の都合を優先したり。お客様が「ブチッ」と切れるのは、敬意が欠けているからなのです。

クレームの電話を受けたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?「面倒くさい電話に出てしまったな」「そんなことでいちいち電話してくるなよ」そんなことをチラッとでも思ったら要注意です。

お客様は信頼を裏切られたことで自尊心が傷ついています。少しでも敬意にかけた応対をすれば、お客様の自尊心はさらに傷ついてしまい、関係の修復が困難になってしまいます。

過去に同じようなクレームがあった場合、お客様の話を最後まで聞かずに解決策を話し始めてしまうことがあります。たしかに、それはそれで問題は素早く解決するのですが、お客様が望んでいるのは問題解決だけではありません。

お客様は「不満を話したい」という欲求を持っています。もし、お客様の話を聞いている途中で、クレームの解決策が思いついたとしても、そこでお客様の話をさえぎってはいけません。お客様が話したいことをすべて話し終えるまでは、聞くことに徹するのが原則です。

ここで大切なのは、お客様が何を不満に思っていて、何を要求しているのかを確認することです。そのためには、ただ話を聞くだけではなく、効果的に「質問」を織り交ぜて、情報を聞き出す必要があります。

お客様の話をじっくりと聞き、クレームの内容を把握したら、お客様に謝罪します。許してもらいたいなら、まず謝るのが筋です。私たちは、問題の解決を急ぐあまりに「申し訳ございません」の一言を忘れてしまうことがあるので注意が必要です。

ただし、口先だけの「申し訳ございません」は、すぐに見抜かれてしまいます。本当に悪いと思えないなら、口にするべき言葉ではありません。

大切なのは、お客様の心情に思いをめぐらせることです。「失礼な扱いを受けて、どれだけ不愉快な思いをされたのだろう」「楽しみに待っていた商品が届かなくて、どんなにがっかりされただろう」それができれば、自然と心のこもった「申し訳ございません」が言えるはずです。

お客様の信頼を裏切る行為をしてしまった場合、責任をとらなければなりません。責任逃れや責任転嫁をしないことは当然ですが、ポイントは「ペナルティーを受ける」ということです。

クレーム応対は「お客様をうまく丸め込む」ことではありません。自分たちの失敗や落ち度を、何のペナルティーもなしに口先だけで回避しようとするのは、ますます信頼を失墜させることになります。

ペナルティーとは、信頼を裏切る行為をしてしまった代償として、時間やお金や労力などをお客様のためにつぎ込むことです。そうすることで関係のバランスを回復するわけです。商品やサービスの無償提供は、簡単で効果の高いペナルティーの例です。

「ペナルティーなんて何を馬鹿な!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。顧客を失うということは、今の売上を失うだけではなく、将来の売上をも失うということです。取引が継続した場合に予測される将来の売上累計額(顧客生涯価値)を計算してみてください。少しの投資で顧客を維持できるなら、このペナルティーがどんなに安上がりな投資であるかが理解できるはずです。

最後に、今後の取引を継続するかしないかを決める権限は、お客様にあるのだということを伝えます。お客様は、信頼を裏切る行為を罰したいという欲求を持っています。そのため、今後の運命を決めることのできる権限を与えることで、その欲求を満たすのです。 次は顧客を怒らせる2つの引き金について書きます。
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初頭効果と親近効果

セールスの現場では、顧客が関心を持っているか持っていないかを把握し、状況に応じてデータの提示順序を変えるのが望ましいと思います。

パワーポイントのプレゼンならば、スライドの表示順序を変更すればよく、印刷資料の場合は、初頭効果を狙う資料と、親近効果を狙う資料の二種類を用意しておけばいいと思います。

3種類のデータがあり、どのデータも顧客を説得するためのものだとした場合を考えます。3つのデータのうち1つは説得効果が大きいデータで、残りの2つは説得効果が小さいデータです。

この時、効果小→効果大→効果小という順序でデータを示すのは、最も説得効果が小さいのです!

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親近効果

親近効果とは後半に提示された性格特性が、前半に提示された特性より人物評価に強く影響することもあり、初頭効果の反対のことです。

相手の関心が高いときは、関連データを示して証拠を固めながら、最後に強力なデータを示すほうが最も効果的です。

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初頭効果

初頭効果とは最初に与えられた情報が後の情報に影響を及ぼすことです。最初に良い印象を持っていたのに後から変わって来たり、最初はあまり良い印象でなかったのが後々良い印象へ変わっていったりする現象のことです。

相手の関心が低い場合は、最初に強力なデータを示し、相手の興味を引きつけることが最も効果的です。

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営業に使える心理学

「買う気はなかったのについ買ってしまった。」そんな経験は誰にでもあるはずです。人は一度何らかの要請を承諾すると、二度目の要請を断りにくくなります。その心のカラクリを解き明かします。
  1. 段階的要請法
  2. 譲歩的要請法
商品やサービスを売り込む時、良い面だけを強調するのと、良い面と合わせて悪い面も示すのでは、どちらのほうが説得効果が高いのでしょうか?
  1. 一面呈示
  2. 両面呈示
  3. 一面呈示と両面呈示のどっちがいいの?
疑い深い人や理屈っぽい人を説得するのは、通常の人を説得する場合に比べて困難です。このようなタイプの人には、結論を言わない「暗示的説得」が効果的です!
  1. 明示的説得
  2. 暗示的説得
  3. 明示的説得と暗示的説得
私達は、手に入りにくいものほど貴重なものだと考える傾向があります。希少性の原理と心理的リアクタンス理論と呼ばれるその心のカラクリを解き明かしてみます。
  1. 希少性の原理
  2. 心理的リアクタンス理論
  3. 希少性の原理と心理的リアクタンスの活用法
私達は、医者や教授などの「専門家」と呼ばれる人々に弱いのです。
  1. 社会的証明の原理
  2. 社会的証明の原理の落とし穴
  3. 人は権威に弱い
  4. セールス(営業)の現場での権威の力
複数のデータを提示して説得する場合、データの提示順序によって説得効果が異なることが明らかになっています。初頭効果・親近効果と呼ばれるその心理法則を紹介します。
  1. 初頭効果
  2. 親近効果
  3. 初頭効果と親近効果
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セールス(営業)の現場での権威の力

権威の力は、セールスの現場でも応用されています。例えば、書籍の帯には「○○氏も絶賛!」いうコピーをよく見かけます。商品のカタログでは、その分野の専門家が商品の素晴らしさを解説しています。

また、トップセールス達は、商品を肯定する専門家の記事を切り抜いて持ち歩いています。いずれも「私の話には、このように専門的な裏付けがあるんですよ」というメッセージを伝えるための作戦なのです。

人は権威に弱いという原理を説得に応用すると、他人の承諾を得やすくなる傾向があります。方法は簡単です。その分野の専門家に、説得の内容を肯定する意見をもらい、それを相手に示せばいいのです。

あるいは、説得の内容を肯定する専門家の話を知っているというだけでも構いません。それだけで、あなたも専門家と同様に扱われることになります。要は、権威による裏付けを示すことができればいいのです。

私達が新聞や書籍を読むときには、どんな内容かは覚えていても、どんな肩書きの人物が書いたのかは覚えていません。しかし、権威の力を借りたいのなら、これでは意味がありません。

「どんな肩書きの人物が書いた」のかが重要なのです。「○○大学の○○教授によれば…」この一言がパワーを発揮するのです。

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人は権威に弱い

私たちは権威に弱い。「○○大学地球物理学教授の△△博士が行った研究によると・・・」とか「知的財産を専門に扱っている□□弁護士によると…」のような前置きがされると、私達は盲目的に内容を信じてしまい、簡単に説得されてしまいます。私達は、医者・弁護士・大学教授などの専門家と呼ばれる人々にとことん弱いのです。

私達の社会では、一般的に専門家の意見に従うことは正しいことであると考えられています。専門家は私達よりも多くの知識と経験を持っており、ほとんどの場合、専門家の助言は私達を適切な行動に導くことになるからです。

専門家からの情報は、私達がどのように行動すべきかを決定するための、貴重な手がかりを提供してくれます。私達は、経験的に専門家の忠告に従うことが、自分のためになることを知っているのです。

このような理由から、一般的に専門家による説得に抵抗するのはとても難しいと思われます。多くの場合、私たちは専門家の意見を鵜呑みにしてしまいます。

次にセールス(営業)の現場での権威の力について書いてみます。

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社会的証明の原理の落とし穴

社会的証明の原理には落とし穴があります。

それは、私達が参考にする人々も、別の人々を参考にして行動を決めているかもしれない、ということです。つまり、私達が参考にする人々は、必ずしも何らかの優れた情報に基づいて行動しているわけではないということです。

私達は「社会的証明」がたとえ事実でなくても、「社会的証明の原理」に従って自動的に反応してしまいます。つまり、悪用できるということです。残念ながら、それに付け込んで儲けようとする悪い人が世の中にはたくさんいます。私達は、「偽りの社会的証明」をでっちあげて顧客を騙すようなことを、絶対にしてはなりません。

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社会的証明の原理

私達は、他人の行動を参考にして自分の行動を決める傾向があります。特に、状況が不明確で自分で判断できないような場合には、周囲の人たちの行動を正しいものと考え、自分がどのように振舞ったらよいかを決める重要な手がかりにします。これを社会的証明の原理という。

私達は、日常のあらゆる場面で、他人の行動に影響を受けています。

例えば、広い駐車場で出口が分からないときには、他の車が進んでいる方に向かってみます。どのパソコンを買えばよいか分からない時は、人気ランキングで上位のパソコンを購入します。

高速道路でどのくらいのスピードを出すかは、他の車がどのくらいのスピードで走っているかによって影響を受けます。初めて行くレストランではどのように振舞うべきか?というのは、他の客の様子をうかがいながら決めます。あなたにも心当たりがあるのではないのでしょうか?

この原理を確かめることができる簡単な実験があります。人通りが多い場所で、数人の友人と一緒に、空の一点をしばらく見上げてみます。すると、多くの通行人があなたたちと同じように空を見上げるのを確認できるはずです。ニューヨークで行われた同様の実験によると、全体の80%の通行人が空の一点を凝視することになります。

社会的証明の原理では、ある行動をとる人が多ければ多いほどその行動は正しいと見なされ、空を見上げる実験でも、あなたと一緒に空を見上げる友人の数が多ければ多いほど、それに同調して空を見上げる通行人の数も多くなります。

社会的証明の原理は、不確かさと類似性の条件下で最も強く作用します。

人は、どう行動すればよいのか確信を持てないときほど、他人の行動を参考にして自分の行動を決めようとします。つまり、状況が明確で判断材料が多い場合よりも、状況が不明確で判断材料が少ない場合のほうが、社会的証明の原理が強く作用する。

社会的証明の原理は、自分と似ている人の行動を見たときに最も強く作用します。どう振舞うのが適切かを判断するとき、一番参考になるのは自分と共通点がある他人の行動です。私達は、自分と異なる人よりも、自分と類似した人の行動に影響されやすい。

社会的証明の原理は、セールスの現場でも応用されています。

例えば、雑誌広告では「人気ランキング第1位」や「市場シェアNo.1」などのキャッチコピーをよく見かけますが、テレビCMでは、一般の消費者が登場し、その商品がいかに優れているかを証言しています。また、トップセールス達は、商談のときに既存顧客の事例を織り交ぜて話すようにしています。

相手の承諾を得たいとき、社会的証明の原理を応用すると承諾を得やすくなります。方法はいたって簡単!他の多くの人々が、あなたの要請に応じたことを証明すればいいのです。

雑誌広告で人気や実績をアピールするのも、テレビCMで消費者による証言を流すのも、トップセールスが既存顧客の事例を紹介するのも、「他の人はこの商品を選択しましたよ」というメッセージを伝えるために行なわれているのです。

自分だけで何を買うかを決められる人はあまりいないと思われます。ほとんどの人は、他人の行動を参考にして何を買うかを決めるのです。私たちは顧客に対して「他の多くの顧客もこの商品を購入した」という「社会的証明」を示すことで、承諾を促すことができます。

次は社会的証明の原理の落とし穴です。

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希少性の原理と心理的リアクタンスの活用法

希少性の原理と心理的リアクタンスは単純でありながら、非常に効果の高い承諾誘導の技法になりえます。私たちは、希少性の圧力を十分に理解しているにもかかわらず、その圧力になかなか抵抗できないからです。

基本的には、顧客の購入機会を制限することで、希少性の原理を意図的に働かせることが可能です。例えば、販売数量を限定する、販売期間を限定する、販売地域を限定する、購入可能条件をつける(以前にある商品を購入したお客様のみ購入できるなど)といった方法は、簡単に実践することができます。

お客様はとても大切な存在であり、お客様に対しては、十分に誠意を持って丁寧に応対しなければなりません。しかし、かといってお客様の言うことをなんでも聞けばいいというものではありません。

あなたはお客様から呼ばれたからといって、ホイホイと顔を出してはいけません。商談のときに値引きしないと買わないと言われたからといって、ホイホイと値引きしてはいけません。

お客様にペコペコ頭を下げて何とか買ってもらう。お客様に言われたことは何でもやる。このように、お客様の要求に簡単に応じてしまうと、あなたの価値が下がってしまいます。いつでも会える営業担当者、なんでも言うことを聞く営業担当者は、希少性が低いためますます立場が弱くなってしまうのです。

ときには、お客様の要求を断わることも必要です。お客様の要求を断わると、希少性の原理が作用し、あなたの価値が高まります。また、お客様は「いつでも買える」という自由を失うことで、ますます買いたくなる(自由を回復しようとする)のです。

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心理的リアクタンス理論

心理的リアクタンス理論とは説得によって行動の自由が制限されたとき、心理的リアクタンス(反発)が生じ、その結果、自由を回復するために、説得への抵抗が生じる。ということです。

例えば、勉強しようと思っていたところに、親から勉強するように言われた場合、勉強するどころか逆に反発して勉強しなくなります。

これは、自分からすすんで勉強するという行動の自由を、親によって脅かされたためなので、勉強しないという行動をとることで、脅かされた自由を回復したのです。

次は希少性の原理と心理的リアクタンスの活用法です

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希少性の原理

希少性の原理とは手に入りにくいものほど貴重なものだと考える傾向のことです。

私達は、手に入れることが難しいものは、簡単に手に入る物よりも良いものだということを経験的に知っています。だから、どのくらい手に入りにくいかを基準にして、その物の価値を判断することができます。ほとんどの場合、この経験則は正しく機能しています。

また、入手が容易だったものが入手困難になるというのは、自由を失う(制限される)ということで、人は既にもっている自由を失うことを極端に嫌います。そのため、失った自由を回復しようとして、以前よりずっと自由を求めるようになるのです。

最も興味深いのは、入手可能だったものが入手困難になると、その対象をより高く評価し、以前にも増して欲するようになることです。

広告やチラシで「生産終了のため50個限定」と数量を限定したり、「3日間限りの特別価格」と期間を限定したりするのは、入手の機会を制限し、意図的に希少性の原理を働かせることで、商品価値を高めるためである。

以前、たまごっちというおもちゃが大ブームになったことがあります。どこのおもちゃ屋でも売り切れで、入荷時にはどうしても欲しい人が店の前に行列を作り、徹夜で並んだほどだったと思います。

たまごっちがこれほどのブームになったのは、ただ単に面白いおもちゃだからではない。どこに行っても売り切れという入手困難さが、商品の価値を高めどうしても欲しいと思わせたのです。

この希少性の原理には、ある心理学の理論が深く関わっています。次ではそのある心理学について書いていきます。

次は心理的リアクタンス理論です

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明示的説得と暗示的説得

疑い深い人や理屈っぽい人を説得するには、結論はあえて言わないほうがよいでしょう(暗示的説得)。

結論を導き出すのに必要な情報だけを伝え、自分で結論を出させるわけです。そうすると、相手は「自分で判断して決めた」と思い込み、自分で出した結論によって自己説得し、考えや態度を変化させるのです。

人は自分が一度行った考え方や行動に固執して、一貫しようとする傾向があります(一貫性の原理)。そのため、他人から明示的に説得されて意見を変えた場合よりも、自分で出した結論によって意見を変えた場合のほうが、説得効果が高くなります。

自分で導き出した結論を否定するのは困難なことです。

セールスの現場では、決定権を持つキーマンがこのタイプの場合に、特に気を使う必要があります。あなたの提案がどんなに素晴らしいものでも、結論を押し付けてしまっては彼らの心は動きません。

彼らがその結論にたどり着けるように、私たちは誘導しなければなりません。「自分で考えて決めたのだ」と思わせることが肝心なのです。

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